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上代・下代・原価率の決め方|売価から製造費を逆算する

アパレルOEM全般

製造費の見積もりを取る前に決めておきたいのが、「その商品をいくらで売るのか」です。アパレルの世界では販売価格を上代、卸価格を下代と呼び、原価率はこの上代を基準に考えるのが一般的です。順番を逆にして「製造費がこの金額だったから、上乗せして売価を決める」という進め方をすると、販路を広げた段階で利益が残らなくなることがあります。ここでは上代・下代・原価率の関係を整理し、売りたい価格から製造費の上限を逆算する手順をTシャツを例に説明します。

上代・下代・原価率の基本

言葉の意味自体は難しくありません。

注意したいのは、原価率を「下代に対する割合」で計算してしまうケースです。社内で数字を共有するときや、複数の相手と話すときに定義がずれていると、あとで利益計算が合わなくなります。まずは上代基準で統一しておくと混乱が起きにくくなります。

販路によって、必要な原価率は変わる

「原価率は◯%が正解」という決まった数字はありません。どこで売るかによって、間に入る取り分が変わるためです。

販路手元に残る金額の目安原価率の考え方
自社EC・直販上代のほぼ全額(決済手数料などを除く)比較的高めの原価率でも成立しやすい
卸(買取)下代。上代の5〜6掛け程度が多い下代の中に原価が収まる必要がある
委託販売・消化仕入れ売れた分から販売手数料を引いた額手数料率次第。売れ残りリスクも自社側

直販だけで売るつもりで原価率を高めに設定し、あとから卸の話が来て「下代より原価のほうが高い」という状態になってしまうことがあります。将来的に卸も視野に入れるなら、最初から下代でも赤字にならない水準で設計しておくほうが安全です。

上代から製造費の上限を逆算する

実際の考え方を、オリジナルTシャツを1型作る場合で追ってみます。数字は説明のための一例です。

  1. 上代を決める — 競合の価格帯や、ブランドとして見せたい位置づけから決めます。仮に1枚4,900円とします
  2. 販路と掛け率を決める — 卸もするなら、掛け率を6掛けと仮定して下代は2,940円
  3. 残したい利益を引く — 下代から、次のロットの製造費や運営費に回す分を確保します
  4. 残りが製造費の上限になる — この枠に、生地代・縫製工賃・プリント代・副資材費・輸送費が収まるかを確認します

この逆算をしておくと、見積もりが出てきたときに「高い・安い」を感覚ではなく数字で判断できます。上限を超えていれば、枚数を増やす、プリントの色数を減らす、ボディの仕様を見直すといった調整の方向が具体的に見えてきます。製造費が何で構成されているかはTシャツのOEM生産、ロット数と原価はどう決まるのかで詳しく整理しています。

原価率だけで判断すると見落とすもの

見積書に並ぶ1枚あたりの単価は、あくまで量産分の費用です。実際の負担を考えるときは、次の要素も合わせて見る必要があります。

原価を下げる前に確認したいこと

逆算した上限に収まらないとき、すぐに「もっと安くできませんか」と聞きたくなりますが、先に確認したほうがよい点があります。

単純に値下げを求めると、見えないところで仕様が下がることもあります。目標としている上代と、収めたい製造費の枠を最初に伝えたうえで、その範囲で実現できる仕様を提案してもらうほうが、結果的に納得のいく形になりやすくなります。伝え方についてはアパレルOEMの依頼方法|最初の問い合わせで伝えるべきことも参考にしてください。

まとめ

上代・下代・原価率は、単なる用語ではなく、製造の相談を始める前に決めておく前提条件です。売りたい価格と販路を先に固め、そこから製造費の上限を逆算しておけば、見積もりの判断も、仕様の調整も、工場との相談もぶれずに進められます。数字が固まりきっていなくても、「この価格帯で売りたい」という方向だけ共有しておくと、相談の精度は大きく変わります。

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