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アパレルの国内生産と海外生産の違い|費用・納期・品質の実際

アパレルOEM全般

OEMで服を作るとき、どこかの段階で必ず出てくるのが「国内で作るか、海外で作るか」という選択です。アパレルの国内生産と海外生産の違いは単価だけの話ではなく、納期・最低ロット・やり取りの手間・品質のばらつき方まで含めて性格が変わります。ここではTシャツの生産を例に、どちらを選ぶかを判断するための材料を整理します。

「国内生産=高い、海外生産=安い」で終わらせない

単価だけを並べれば、海外生産のほうが低く出ることが多いのは事実です。ただし発注者が最終的に負担するのは、加工賃だけではありません。生地代、副資材、輸送費、通関費用、為替、そして不良が出たときの作り直しやサンプルの往復にかかる時間まで含めた合計が、実際のコストになります。

枚数が少ないほど、この「単価以外の部分」が1枚あたりに重くのしかかります。逆に枚数が増えるほど加工賃の差が効いてくるため、どちらが有利かは数量によって逆転しうると考えておくのが実務的です。原価をどこまでかけられるかの考え方は上代・下代・原価率の決め方で整理しています。

費用・納期・ロットの傾向を並べてみる

以下は一般的に語られる傾向で、工場や取引条件によって幅があります。あくまで比較の枠組みとして見てください。

項目国内生産の傾向海外生産の傾向
加工賃高めになりやすい低めに出ることが多い
最低ロット小さめの相談に応じてもらえる場合があるまとまった枚数を求められることが多い
納期短め。輸送が国内で完結する船便を使うと輸送だけで数週間かかることがある
サンプルの往復数日単位で回せることが多い1往復に時間がかかり、回数を絞る前提になりやすい
仕様の伝達日本語で直接やり取りできる商社や現地スタッフを介するのが一般的
追加生産比較的動かしやすい再度まとまった枚数と期間が必要になりやすい

納期は「生産日数」ではなく「往復の回数」で決まる

海外生産で納期が伸びる原因は、縫う時間そのものよりも、サンプルのやり取りと輸送にあることが多いようです。Tシャツのように構造が単純なアイテムでも、最初のサンプルで襟リブの高さや身幅を直せば、修正版が手元に届くまでにまた時間がかかります。

そのため海外で進める場合は、修正を何回想定するかを先に決めて、仕様書の精度を上げておくほうが結果的に早く終わります。逆に、仕様がまだ固まっていない、実物を見ながら決めたい、という段階であれば、往復の速い国内のほうが向いていることが多くなります。全体の工程感はサンプルから量産までの流れを参照してください。

品質は「上下」ではなく「ばらつきの管理のしかた」の差

海外生産だから品質が低い、という単純な話ではありません。実際、多くのブランドが海外の工場で問題なく生産しています。差が出やすいのは、仕様に書かれていない部分の埋め方です。

Tシャツで言えば、プリント位置の許容誤差、首リブの伸び、縫い代の始末、洗い後の縮み率をどこまで許容するか。こうした項目を数値と写真で残しておくことが、距離に関係なく効きます。

ロットの下限をどう見るか

海外の工場は、まとまった枚数を前提に段取りを組んでいることが多く、最低ロットが大きくなりやすい傾向があります。ただしこれも絶対ではありません。既存の無地ボディを使う場合や、商社が複数案件をまとめている場合など、条件次第で下限が下がることもあります。「海外は必ず数百枚から」と決めつけず、条件を出して確認するのが確実です。Tシャツの枚数の考え方はTシャツOEMは何枚から作れるかで詳しく触れています。

判断の順序

迷ったときは、次の順で条件を当てはめていくと絞りやすくなります。

初回は国内で仕様を固め、型が安定してから枚数を増やして海外に移す、という進め方をとるブランドもあります。最初から一つに決めきる必要はなく、段階を分けて考えるほうが現実的です。

まとめ

国内生産と海外生産の違いは、加工賃の高低よりも、納期の組み立て方・最低ロット・仕様の伝わり方に表れます。どちらが優れているという話ではなく、いま自分たちが持っている条件(発売日、枚数、仕様の固まり具合、続けて作るかどうか)に合うのはどちらか、という選び方になります。工場の探し方そのものについては縫製工場の探し方もあわせてご覧ください。

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